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過去の恋愛体験や思い、家族、終活、シャンパンなど、取り留めのない世迷言。


梅雨が明けた東京
雲もあるが夏の雲だ
澄んだ午前中の青空を
開いた窓からの心地よい風を感じながら
私はバスの中から覗いていた

年配のご婦人が
「お隣よろしいかしら」
「どうぞ」と私
二人掛けの椅子に座った

「あの 〇〇へはどのバス停で降りれば良いのかご存知?」
「私詳しくないのですが多分△△のバス停だと思います」と私
直ぐにスマホで〇〇の場所を確認した
やはり私が思っていた通りだった
「お手間を取らせてしまってごめんなさい」
「いいえ お気になさらないでください」
「直ぐにタクシーで移動してしまうと便利だけど
 目的地近くのバス停や名称などわからなくて恥ずかしいわ」
「普段行き来しないと覚えられませんよね」と私

「私ね 夫を亡くしてからこのままではいけないと思って
 外に出かけるようにしているの これからお食事に行くところなのよ」
「それは良いことですね」
この後10分程お話をした
「最近は若い人とお話しすること意識しているのよ 
 普段は自分もそうだけど
 年寄りばかりで暗くなってしまうのよ
 こうしてお嬢さんとお話しできて嬉しいわ
 若さをいただけて 私若返ってきたわ」
幼子のような無邪気な笑顔で
「私は若くは無いので…お嬢さんといわれる年頃は遥か昔です」
「あらおいくつなの?」
私は年齢を言うと
「あら私から見るとお嬢ちゃんだわ」と微笑んでくれた
「私はもうすぐ90になるのよ」

どう見てもそのようには見えない
薄いグレーの刺繍の入ったワンピース
とても仕立ての良いもので体にフィットしている
既製品とは思えない誂えたものだろう
座っているときの姿勢も良い
華美ではないアクセサリー 品の良さを漂わせていた

そのご婦人と私が乗り換えるバス停が一緒だった
一緒にバスを降りて
「また出会えると良いですね」と言い合って別れた

まだ私でも誰かにささやかでも何かを
分け与えることができた そして喜ばれた
まだ私にもそんな部分があったことに
とても嬉しくて胸がいっぱいになった


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