
東京で久しぶりの積雪
真っ白な銀世界
東京の街じゃないみたい
そして寒い
帰宅中に慣れない雪道を歩きながら
ふと思った
「温泉に浸かりたい」
この時 過去の記憶のカケラが出てきた
写真好きの元彼との思い出
雪景色を撮りに行くのに同行した時の事
日帰り予定だったけど お昼過ぎから吹雪いてきた
近くには温泉街
今みたいにスマホやパソコンで検索なんてなかった時代
便利だったのが地元の温泉観光協会案内所
ここには当日空いている旅館など情報が色々あった
旅慣れている彼はここで観光協会の人と交渉
すると近くの露天風呂付きのお部屋が格安で泊まれることに
料理は簡単なものに変わるという条件で
吹雪が強くなってきたので
直ぐに旅館へ
急な訪問にも関わらず 快く出迎えてもらえた
とても立派なお部屋だった
大学生の2人が泊まるにはもったいないすぎる
撮影で冷えきった体を温めたくて
部屋の露天風呂へ先に彼が入った
「ちょっと来てごらん」と声が
東屋風の屋根のある露天風呂からの
吹雪と靄からなる幻想的な光景だった
「早く来なよ」
「うん」
「早くしないと 真っ暗になっちゃうよ」
と促されるように 私も露天風呂へ
体を洗い 入水すると
彼が背後から
「ここからの位置がいい感じなんだ」と
私の体の向きを動かした
「本当だぁ」と感激していると
背後から体を隠したタオルを取る手が
「湯船にタオルを持ち込まないでくださいね」
と笑いながら言った
「温かくて 気持ちいいね ここの温泉
外も寒いし ずっと入っていてものぼせないね」
と言いながら両手で私の体を弄び始めた
彼の耳元で「ダメだよ 誰かに聞こえちゃう」と小声で
「雪は音を吸収するんだぜ 気にしない」
と言って手を休めなかった
「声を我慢していると からだに悪いよ」
と訳のわからないことを言う
困惑しながらよがる私を 楽しんでいる
意地悪な彼だった
続く
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