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過去の恋愛体験や思い、家族、終活、シャンパンなど、取り留めのない世迷言。


続き

私が指差したのは
『ゴースト/ニューヨークの幻』だった
何かの情報番組でデートにオススメと聞いた程度だった
待ち合わせしていた街の映画館でも上映していたが
ちょうど始まってしまったばかりだった
「◯◯へ行こう 2ヶ所も上映しているよ すぐだからさ」
そういって数駅先の街へと移動した
数分程度で隣の街へ

昔の映画館は今みたいに座席指定ではない自由席
席を選びたいのなら並んでいないとダメだった
次の回まで30分はあったと思う
私たち二人には話題は事欠かなかった
バイトの仲間達についてなど共通なものがあったから
あと途中で彼が一服しに行ったりもしていた
缶コーヒーのお土産と一緒に帰ってきた
周りを見渡すと確かにカップルが多かった

並んだ甲斐もあって見やすい席に座れた
まだ若かったデミムーア
怪しい霊能者役のウーピーゴールドバーグ
「アンチェインド・メロディ」の曲が印象深い
十代後半だった私はラブシーン(表現が古い)が出てきた途端
どうしようと意味のない焦りが恥ずかしかった
ふと隣を見ると彼と目が合ってしまった
直ぐに目を逸らした

映画の上映が終わり
時計を見るともう夕飯時間
「夕食食べる時間ある?」
「うん あるよ」
「じゃあ何食べようか?
 この街のお店そんなに詳しくないから
 待ち合わせの街に戻ろう!」
待ち合わせの街に戻った

今はないビルの上の階にあるお店だった
窓が大きめで外の街並みが見渡せた
暗くなって街並みが明かりでキラキラしていた
「いつもこういうところ来るの?」と私が聞くと
「全然こないよ ははっ ばれちゃうよねー
 がっかりした? 昨日 同級生の女子たちに聞いたんだ」
「なんて聞いたの?」
「彼女ができて 初めてデートするから
 喜びそうなお店教えてくれと
 そう言ったら あいつら山のような情報くれた
 1店舗にしか行けないのにさぁ」
「そうなんだぁ」 なんだか嬉しかった 

飲み物と食事をオーダーした
座っていた席はL字型のシート席だった
店内が混み合ってきた 見渡すと
結構な確率でカップルが多いなぁと見ていた私
その様子を見ていた彼

「なんで今一瞬 悲しい顔したの?」と彼から言われた
「えっ?」身に覚えはない
「さっきも映画を待っているときにもあったよ」と言われた
「なんか嫌だったことあった?
 俺そんなに女性に慣れているほうじゃないから…」

今とさっきの私が思ったことを思い出していた
「あなたの所為じゃない 私の問題なの」
「どういうこと?」
「さっきと今と同じことを一瞬思ったことだと思う」
「教えて…」

続く


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アラフィフ女性
人生を振り返り、終活活動を模索中。
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