昔から知っている部署違いの男性に会った
久しぶりだった

その男性には思春期の娘がいる
「なぁ　思春期の異性の子供との接し方どうしてた？」
「えっ　あれだけ女性慣れしていたでしょ？」
「いや　娘は別物だよ」
私は大爆笑してしまった

その男性に泣かされた女性は数知れず
昔の私もその男性の行動に呆れて
「クズだね」と言ったこともある
昔のその男性は
「あぁ　そうさ」と言って笑っていた
そんな男性でも娘には弱かった

娘に彼氏ができたらしい
奥さん経由でどんな人か聞いたら
お父さんに似ているかもと言われたらしい
「どうしよう　自分に似た奴なら…
　最低だろうなぁ　きっと…
　反対したほうが良いのかなぁ」
「昔のあなたならね　でも　昔の最低な部分は
　娘さんに見せていないんでしょ　
　なら心配いらないんじゃないの？」

この慌てふためいている様子を
泣かされた女性たちが見たら
きっと気持ちがスッとするだろう
そんな気持ちになった
でもそんなことは現実にはないけどね

自分の性格の悪さを再認識しながら
あのクズだった男性も
いい意味でただの父親になっていたこと
知れてよかった

あのクズ男が成長していたのに…
私は…
空模様のようにどんよりしてしまった


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